日本紙幣の歴史:日本で最初の肖像紙幣
日本紙幣の歴史:日本で最初の肖像紙幣
紙幣に肖像画が描かれていることは、今では当たり前のことですが、最初期の日本紙幣には肖像画は描かれていませんでした。
明治時代の日本では、国が主導して紙幣を発行するようになりました。
最初の政府紙幣は太政官札といい、江戸時代に使われていた藩札という紙幣と同じ形をしていました。
しかし、太政官札の偽札が横行したため、日本も海外にならった近代的な紙幣を作ることにします。
既にその時代のアメリカでは、大統領の顔が紙幣に使われるようになっていました。
それで・・・
「じゃあ、日本は国家元首である天皇陛下の顔にする?」
「いやいや、神様の顔を使うことなんてできないよ!」
ということになったため・・・
「天子の顔は龍顔と言うよね。じゃあ、龍の絵を使おう!」
ということで、紙幣や硬貨には龍の絵を使うようになりました。
その最初の紙幣が明治通寶です。
では、現在のような、肖像画入りの紙幣が発行されるようになったのはいつからなのでしょう?
その肖像画には誰が使われたのでしょう?
日本初の肖像紙幣
日本で最初に肖像画が使われた紙幣は、1881年に発行された改造紙幣(1円券以上)です。この紙幣には、神功皇后の肖像が使われました。
この紙幣はドイツに印刷を依頼し、肖像画はイタリア人技師エドアルド・キヨッソーネが担当したので、「神功皇后の顔が、どうも日本人の女性には見えない」と、よく言われています。
どうして肖像画を使うようになったのかというと、明治通寶にも偽札が多く出たため、偽札対策のためでした。
人物の図案は、人が無意識に使っている識別能力に働きかけ、偽札を見分けることに役立つのだそうです。
そして、神功皇后を肖像に選んだ理由には諸説あるようですが、神功皇后は『日本書紀』の中で非常に大きな武勲を立てたことを記されている女性ですから、これから強くて豊かな国になっていくんだ、という願いにふさわしい人物像だったのかもしれませんね。
明治時代の肖像紙幣
神功皇后以外にも、明治時代の紙幣には以下の4人の人物が描かれました。
■「菅原道真」……平安時代の貴族で、宇多天皇に忠実に仕えたことで知られています。
学問の神様としても有名です。
改造兌換銀券5円券 1888(明治21)
兌換券5円券 1910(明治43)
■「武内宿禰」……『日本書紀』、『古事記』に記されている人物です。第12代から第16代までの天皇に仕えたことで知られています。
改造兌換銀券1円券 1889(明治22)
兌換券5円券 1899(明治32)
■「和気清麻呂」……奈良時代から平安時代の貴族で、平安京の遷都などに深くかかわりました。
改造兌換銀券10円券 1890(明治23)
兌換券10円券 1899(明治32)
■「藤原鎌足」……藤原氏の始祖であり、大化の改新の中心人物でもあります。
改造兌換銀券100円券 1891(明治24)
兌換券100円券 1900(明治33)
明治時代の肖像紙幣は、天皇家とかかわりの深い貴族などが中心だったようですね。
大正・昭和以降も、いろいろな人物が紙幣になっていますから、それらの人物についても、また紹介したいと思います!
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