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プレミア価格の古銭の話

寛永通宝
2023.10.10

プレミア価格の古銭の話

円の真ん中に四角い穴のあいたお金を、古銭の世界では穴銭と呼びます。
今回は、皆さんもきっとなじみのあるだろう古銭の中から、ゆきんこ的プレミアム穴銭を紹介したいと思います。

まず、社会の授業でも習う「和同開珎」という穴銭の紹介です。

和同開珎

出典 ウィキペディア:和同開珎

日本が独自に鋳造した貨幣その1ということで、歴史的にも貴重なこの穴銭、最低価格は数万円で入手も可能なのですが、場合によっては500万円以上になるという、超高額の穴銭なんです。

こんなに大きく価格に差が出るのはどうしてなの?

と、思われるかもしれませんね。
理由としては、まず、この穴銭自体が千数百年も前に作られた物で、よい状態で残っている物が少ないことがあります。

またさらに、当時の日本には今のような安定した貨幣鋳造の技術なんて当然なかったですから、書体などにいろいろなバリエーションができ、中には出現比率の少ないキラキラのレアシールのような貨幣ができてしまったのです。

そんな貨幣になると、大きなオークションに出品されたりして、一般人には手の出せないような、びっくりぽん!な値段で取引されるわけです。

さらに、和同開珎には仲間の貨幣が11個あって、12個をまとめて「皇朝十二銭」と言ったりもするのですが、和同開珎と同様にどれも高額で、十数万円から200万円という価格で取引される物があります。

皇朝十二銭

出典 ウィキペディア:皇朝十二銭

全部集めたら・・・ちょっとした願い事が叶うぐらいのお金を使ってしまいそうです。

さて、時代はぐっと近代に近づいて、銭形平次がびしびしっと飛ばしていた「寛永通宝」に焦点を当ててみましょう。

この寛永通宝には一文銭と四文銭があったそうですが、銭形平次が投げているのはどうやら四文銭のようです。

四文は当時の価値としては、大福餅やお団子が1個買えるぐらいだそうですから、現代におき換えて考えるならば、50円玉を投げているような感じでしょうか・・・。

寛永通宝は古銭の中でもありふれた物で、バリエーションもとても多いのですが、相場としては、ほとんどの物が数百円程度で、価値がないとされています。
しかしこの中にも、絶対に投げちゃだめ!というようなプレミアムな古銭が存在します。

1626年、水戸藩に住む佐藤新助によって鋳造された、幕府公認の通貨になる以前の寛永通宝である「二水永」。
これは2万円から4万円の価値があります。

1668年に亀戸で鋳造された「文銭」と呼ばれる寛永通宝の中の「島屋文」。
これはなんと、25万円から30万円の価値です。

ほかにも、「母銭」という貨幣を造るための型の鉄銭であれば、そのほとんどは数万円、もしくは数十万円という単位で取引をされています。

今回紹介したようなプレミアムな穴銭は、もちろん現存する数が少ないわけですから、そう簡単に見つけることはできませんが、小さな違いで価値がぐっと上がるところに、古銭の面白さがあるんじゃないかな?と思います。

 
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